本記事では、『マンガでよくわかる行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術』行動科学マネジメント研究所所長 石田淳著 についてレビューします。
社会人になって数年経つと部下をつけてもらい、その部下を指導していく立場にありますよね。
- 部下を指導するときの教え方ってどうすればいいのかな?
- なんか部下が育たないんだけどどうすればいいだろう・・・
そんなふうに思うことはないでしょうか。
本書はそんな人のために作られた「教える技術」をわかりやすくマンガにしたものです。
わたしは、
部下を教えるって難しい。っていうかうまく伸びる子と伸びない子の差ってなんだろう。
そもそもボクの教え方って正しいの?
と悩んだ末、考えている時間がもったいないからまずはマンガでサクッと理解しよう!と本書を手にとりました。
以下で本書の内容について、もう少しだけ詳しく紹介します。
本書の内容をだいたい3行でまとめると
- 「教える技術」それは具体化した”望ましい行動回数”を数値化して評価し人の成長を促す技術
- 「教える」とはどういうことか
- 部下別教える際の心得とは
となります。わかったから本書を見せてという方は以下のリンクから購入ください。
もう買うからいいよ、って方は以下から買っていただけると幸いです。
本の情報
マンガ全6話を通じて教える技術とはどういうものか、また教え方の注意点を伝えてくださってます。
Amazonでも600件を超える評価があり評価平均4.1とかなり高評価です。また本書の続編もあります。
本書の元となったビジネス書がこちら
本書の内容
教える技術 まとめ
教える技術1:「知識」と「技術」に教える内容を分ける
「知識」・・・聞かれたら答えられること
「技術」・・・やろうとすればできること
教える技術2: ”できる社員”の行動を分析する
できる社員は、なぜできるのか?
・・・それは、成果の出る行動をし続けているから
つまり”できる社員”(成果の出る行動をし続けている社員)の行動を徹底分析すればその現場で成果を出すための行動チェックリストが完成します。
具体性の法則(MORSの法則)
- Measured・・・数値化できる
- Observable・・・誰がみてもどんな行動をしているかわかる
- Reliable・・・どんな人が見てもそれが同じ行動だと認識できる
- Specific・・・何をどうするかが明確になっている
上記のMORSの法則に基づいて具体性を持った行動リストにしましょう。
具体化するには、内容を理解した上で言語化する必要があります。言語化は現代のビジネスパーソンが(精神的にも)生きていくための必須ツールです。以前に以下で言語化について取り上げたので良かったら見てみてください。
教える技術3:行動チェックリストをつけて可視化する。
この行動リストを元に部下の行動を可視化しましょう。
そして、良かった行動は”ほめる”、良くなかった行動は、”叱る(≠怒る)”、そして改善策を一緒に考えましょう。ポイントは結果ではなく、行動に対してアクション(ほめるor叱る)する、ということです。
教える技術4:行動をほめるときは数値化する
毎週同じ内容をほめていても聞いている部下としては、なんだかマンネリ化してやる気がなくなっていくものです。それを防ぐ方法が、”数値化してほめること”です。数値化することで行動の向上分が目に見えてわかり部下のやる気も継続しやすいのです。
教える技術5:他人と比較しない(相手は過去の自分)
数値化するとやりたくなるのが、他人との比較。でもこれはやってはダメなやつです。相手ができる社員だったりすると、”自分はダメなんだ”と思ってしまい、やる気が下がります。
あくまで比較対象は過去のその部下。過去の部下の行動に勝った、ということは確実にその部下が成長している証となるからです。
TOPIX 対象別 部下を教える心得
中途社員(同様の業務の経験がある人)を教える心得
1.「知っていること/知らないこと」と「できること/できないこと」を割り出す
2.やらなくてもいいこと と 劣後順位 を決める
3.相談相手としてさまざまな場面で意見を求める
*劣後順位・・・優先順位の逆(やらなくていいこと)
新人を教える心得
心得1:「わかりました!」をあてにしない
間違ってはいけない、と勘違いして「わかりました!」と条件反射的に答えてしまう人がよくいます。本当にわかったかどうか、以下のようなことをして確かめましょう。
- 教えたら復唱させる:
- わかったことをレポートに書かせる
- 教えた内容を「自分の仕事の中でどのように活用するか」部下に説明させる
心得2:小さな目標(スモールゴール)でたくさんの成功体験を
”達成感”を部下に植え付けることが目的です。その新入社員が100%できるような課題を与えて行動をほめて成功体験をたくさんつけてあげてください。
心得3:一度にたくさんのことを教えない
新入社員に限りませんが、人は天才を除きたくさんのことを脳で処理できません。これは脳科学的にも実証されているようです。3つの事柄までしか多くの人は覚えることができないようです。
*脱線しますが、電話番号が3つの区切り(XXXーXXXX ーXXXX)となっているのはこのためだそうです。
そして新入社員はそこに輪をかけて、周りの環境や人間関係に慣れるのにエネルギーを使いがちです。よって、「指示や指導は1度に3つまで」にしましょう。
指示や指導は1度に3つまで
「教える」際の注意点
注意点1:「教える」の意味を間違えない
「教える」とは、「仕事の内容を理解してもらう」だと捉えがちですが本書では
- 「望ましい行動をできるようにする」
- 「間違った行動を正しい行動に変える」
ことと再定義しています。
なぜならば、仕事の内容を理解していてもできなければ意味がないから。「理解」と「できる」には
大きな隔たりがあることを上司は理解する必要があります。
でもそれってやる気の問題では?
そう思考停止してしまうとこれまでと一緒。それを「いつ・誰が・どこで」やっても同じ結果が出るように部下を導くことが「教える技術」です。
注意点2:部下の〇〇をほめる
部下をほめるポイントは”成果を出したとき”と考えがちです。ですがだいたいの組織において”成果を出せる人”は全体の2割、”成果を出せてない人”は全体の8割いると言われています。
では、成果を出せていない人は頑張っていないか、というとそうではありません。ビジネスにおいて成果を出るというのは前述したとおり、行動が大事なのはもちろんです。しかし運、めぐりあわせによって成功しない場合もあります。行動自体はとても良いのに運やめぐりあわせで成果出なかっただけなのです。良い行動を取り続けている人も結果が出ないとやる気が下がっていってしまいます。
よって部下をほめるときは、部下の成果をほめるのではなく、成果に関わらず、部下のとった良い行動をほめるべきなのです。
ほめるときは部下のとった良い行動をほめる
注意点3:人間の行動原理に基づく「ABC モデル」
ABCモデルとは
- Antecedent(先行条件)・・・行動の直前の環境
- Behavior(行動)・・・行動・発言・振る舞い
- Consequence(結果)・・・行動した直後に起きた環境の変化
Aに戻る。以降繰り返し。という人間の行動原理の概念モデルのことです。
A・B・Cは相互に因果関係があり、人はAという条件下でBという行動を起こした際にCという”望ましい結果”が得られた際はその行動を繰り返す、Cが”望ましいものではない”場合はBという行動を起こさなくなる、という特性があります。
ダイエットや筋トレが一人では続けにくいのは、A(体重が重い、筋肉がない)ので、B(ダイエット、筋トレ)をした。しかしその結果がすぐには見えないためです。
ダイエットや筋トレの場合は上位者(トレーナー)から行動をほめられることで継続し結果を出せる、という理屈になります。この人間の行動特性を利用したシステムがRizapなどのパーソナルジムトレーニングだと思われます。
人はほめるられるとその行動を再び行う特性がある
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このレビューが部下を教える助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。